2020.01.06
2019年の南極アイスマラソンは、2019年12月12日~15日・4日間の日程でスケジュール通りに実施されました。参加人数は、17カ国から60名。うち日本人が2名(1名は米国在住の大学院生)、そして最高年齢84歳のカナダ人が参加していました。ポーラークルーズスタッフが現地に飛び、日本から参加された杉山さんと最高年齢のRoyさんにインタビューしてまいりました。
南極アイスマラソンに参加した杉山さん(左)、主宰者リチャードさん(右)
トライウエルインターナショナル・スタッフ(中央)
茨城県から参加の杉山さんに南極アイスマラソンについての感想を伺いました。
Q. いつごろから南極アイスマラソンに興味を持ち参加したいと思っていましたか?
A.
2012年に南極アイスマラソン100Kmを走った小野裕史さんの本を読み、講演を聞いて興味を持ちました。2018年初旬にトライウエルさんから手配できると誘いを受けて申込みました。
Q. いつごろから準備を開始しましたか?
A.
シューズは冬でないと手に入らないため、1年前、その他の装備については1年半前から準備しました。南極アイスマラソン経験者3名に会いに行き、いろいろとタメになる話をお訊きしました。
スタート直前、興奮気味の杉山さん
Q. 実際に走ってみた感想は?
A.
脚が攣って歩くこともままならないレースとなりました。しかしなんとか完走できて良かったです。コーチの言っていた不整地のトレーニングをしていたら、攣ることはなかった気がします。
装備はベストだったと思います。くるぶしが隠れるほどのシューズでしたが、これは普通のトレランシューズでも良かったかもしれません。他のランナーはそんな感じでした。
それにしても、こんなに酷い攣りはベルリンマラソン以来です。あの時はレース後、体を冷やしたのが原因だと思います。今回は走っていて、特に寒さは感じませんでした。それだけに、ショックです。今後、こんなことが再発するのではないかと心配です。
今回は、南極の寒さが心配でそればかり頭にありました。雪上でのトレーニングが必要と思っていましたが、レース前の時期の日本では、それは不可能に近いです。それよりも不整地ランをたくさんすれば良いと思います。あとはフライトが遅れた場合の飛行機の変更、宿の確保などに対策が必要だと思いました。
レースとしてはゴール出来たこと以外はダメでしたが、南極アイスマラソンはそれ以外はどうでも良いと思わせてしまうマラソンでした。84歳のロイ、世界17カ国から集まったランナーとの交流、南極での食事、宿泊、景色などすべて快適で、別世界でした。このような体験をできたことは幸せだと感じます。
南極を走る杉山さん。余裕満々の走りでカメラマンに向かってのポーズ
Q. ユニオングレッシャーのキャンプ地の感想をお聞かせ下さい。
A.
今年は天候が良く気温もマイナス5度くらいまでしか下がらなかったので、寒さは、感じなかったです。テントでの睡眠、キャンプ地での食事、トイレなど快適で心配ないです。雪山登山をやっているので、そこでのテント泊に比べると天国。世界各国から集まったランナーたちと一緒に過ごすのは刺激的。一生の思い出になります。
Q. 南極大陸で走る魅力はなんでしょうか?
A.
南極自体がなかなか行けない場所。青空の下、山々を眺めながら氷の大地を走るのは、別世界にいるようで興奮してきます。通常のマラソンとは全く異なる、絶景での異次元体験が魅力です。
ご協力ありがとうございました。今年は、オリンピックの聖火ランナーを務めるとか。昨年に引き続き、素晴らしい年になりますね。これからも、一生の思い出作りをスタッフ一同真心こめて応援していきます。
そしてもうお一人、南極アイスマラソン始まって以来の最高年齢者ランナー、Roy Jorgen Svenningsenさん84歳にもお話を伺いました。Royさんは、どこにでもいる穏やかなご老人。ランナーとは見えませんでした。説明会の席で主宰者のリチャードから最高齢のランナーであると紹介され、参加者は皆とっても驚いた様子でした。
南極アイスマラソン始まって以来の最高年齢者ランナー、Roy Jorgen Svenningsenさん(84歳)
Q. いつごろからマラソンを始めたのですか?
A.
一番最初に参加したマラソンレースは、1964年のカナダ・カルガリーで行われたレースだったよ。すでに4大陸で50回以上は、レースに出ているよ。今でも毎日23~4Kmは走っているんですよ。
最高記録は、ヘルシンキで行われたマラソンの2時間38分。プレストンマラソン(UK)では2時間40分で走ったんだ。健康の秘訣は、やっぱりマラソン。続けることだよ。
Q. 南極で走ったあとはどんな目標を立てているのですか?
A.
次は、南米やオーストラリアで走ってみる予定です。
出発前、プンタアレーナスで行われた南極アイアスマラソン説明会風景
出発前の忙しい時間にもかかわらず、心よくインタビューに応じていただけました。ありがとうございました。
結果は、11時間41分58秒でした。きっと、いつもの走りではなかったはず。残念ながらマラソン終了後の再会は叶わずじまいでしたが、勇気と生き方を学ばせていただきました。
南極アイスマラソン参加の旅4日間 |
南極大陸で走ろう!南緯80度地点で競う、1マイル(1.6Km)マラソン~100Kmウルトラマラソン。
-10度から-20度の寒冷地で行なわれるアイスマラソンです。標高約750m、地球上で最も厳しい自然環境であり、時にカタバ風が吹き荒れることもあります。1マイルからご自身でゴールを決めることができるので、障害をお持ちの方(車イスなど)でもご参加いただけます。