2015年12月、南極フライ&クルーズ「究極の南極クルーズ:皇帝ペンギン&キングペンギンとの遭遇12日間ツアー」にご参加された山部一実さん。その後、パタゴニア地方をバスで旅するという貴重な体験談をお送りいただきました。
パタゴニア、南極に寄せる思い
アルプスやヒマラヤを目指す者の記憶に残る登山家としてイヴォン・ショウイナードの名前を忘れることはできません。その彼が1970年代の初めにパタゴニアの山旅に旅立ったのは何故かというと、「未知への憧れ」(知らないところへ行ってみたい)がその本質であったに違いありません。私の山旅もまさしく「未知への憧れ」そのものでした。そして極地に行きたい、という思いでした。
当時医大の山岳部のキャプテンをしていた私は何かの山の本で見たパタゴニアの写真に虜になりました。それは、1958年(昭和33年) 神戸大学 パタゴニア登山隊 の報告書だったと記憶しています。「パタゴニア」への思いはそれ以来ずっと絶えることなく私の脳裏に刻まれていましたが、今回、南極への旅行を契機にその宿題を果たすことも、この旅の強い動機でもありました。
Tierra Fuego National Park(ティエラ・デル・フエゴ国立公園)はその思いとは裏腹にまるで上高地の賑わいを見せるかのような観光地化された場所となっていましたが、しかし観光バスの路線から離れた幾本かのトレッキングルートは静けさと冷気に満たされ私の思いを満たしてくれました。真っ白な氷の世界の南極は、パタゴニアの連山とオーバーラップした記憶のなかで今でもふと蘇ってきます。
山部 一実
旅行スケジュール
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2015年12月26日 〜12月28日 | ■航空機にて移動 福岡空港:国内線利用→羽田空港:カタール航空利用→DOHA(ドーハ/カタール)国際空港→BUENOSAIRES(ブエノスアイレス/アルゼンチン):ラン航空利用→SANTIAGO(サンチャゴ/チリ)→Punta Arenas(プンタアレーナス/チリ) <ブエノスアイレスにて1泊&プンタアレーナスにて1泊> |
2015年12月29日〜2016年1月9日 | ■【南極フライ&クルーズ】究極の南極クルーズ12日間 プンタアレーナス→(フライト)→キングジョージ島・乗船/プンタアレーナス下船<船内11泊> |
2016年1月10日 〜1月12日 | ■バス旅&パタゴニア観光プンタアレーナス(チリ)→Fuego島→アルゼンチン入国→Ushuaia(ウスワイア)Parque Nacional Tierra del Fuego(ティエラ・デル・フエゴ国立公園)観光<ウスワイアにて2泊> |
2016年1月12日 〜1月15日 | ■航空機にて移動 USHUAIA(ウスワイア/アルゼンチン):アルゼンチン航空利用→BUENOS AIRES(ブエノスアイレス/アルゼンチン):カタール航空利用→DOHA(ドーハ/カタール)→羽田空港:国内線利用→福岡空港 |
山部さんの旅への思いがまとめられたレポート(PDF)がご覧いただけます。 |
(1)南極への旅の記録
南米大陸最南端、アルゼンチンとチリの両国に跨るパタゴニア地方の先、荒れ狂うドレーク海峡を超えると、地球上最も過酷な地、南極大陸がある。しかし現在、この究極の地「南極」へさえも観光できるというから驚きだ。今回は、往路にチャーター機でドレーク海峡を飛び越える「フライ&クルーズ」で南極の地へ向かった。
チャーター機で到着したのは、サウス・シェトランド諸島キングジョージ島。その目と鼻の先に南極半島がある。
プンタアレーナス
チリの首都サンチャゴから2400Kmほどの南に位置する。パタゴニア南部最大の都市。人口約13万人。南極へ航空機で移動するコースは、ここを発着とする事が多い。
ウスワイア
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから南に3250Kmほど離れた「世界最南端の都市」。南極クルーズのほとんどコースがここを発着地とする。アルゼンチン側のフエゴ島の中心都市。一年中風が強く吹く場所。坂の街で、海沿いの通りから山に向かって急な坂道となる。南極旅行のシーズンは、各国から観光客が訪れて街は賑やかになる。街の中心地にはお土産屋さんや各種商店、シーフード料理をはじめとするレストランも数多く点在する。この地方で有名なシーフードはタラバガニ料理の「セントージャ」。
フエゴ島
1520年、探検家マゼランが命名。南米大陸からマゼラン海峡によって隔てられた島。九州より一回り大きくしたサイズで、アルゼンチン領とチリ領で二分されている。
(3)ティエラ・デル・フエゴ国立公園
(Tierra Fuego National Park/Parque Nacional Tierra del Fuego)
ウスワイアの中心部から約12Km。広さは東京都の3分の1程度。1960年に国立公園に指定された。90種類以上の動物や、南極ブナの森林などが楽しめる。公園内は高低差が少なく、ハイキングやトレッキングもオススメ。フエゴ島の自然を満喫できる。また、ビーグル水道や数多くの岩島も公園内から展望できる。一方、チリにまたがるロカ湖(Lago Roca)では、チリ国境まで行くトレイルが敷かれており、湖畔を散策するにはもってこいの散歩道。
1948(昭和23年) | 長崎に生まれる。 |
1977(昭和52年) | 岩手医科大学歯学部卒業。学生時代の大半は山で過ごしていた(多い年で年間100日も!) 。 |
1981(昭和56年) | 長崎県北松浦郡にて開業。 |
2001(平成13年) | ホームページ「嚥下障害支援サイト“Swallow”」開設。 |
2003(平成15年) | 「嚥下障害患者を支える家族の会 スワロー」を設立。 |
2004(平成16年) | 「長崎嚥下リハビリテーション研究会」を設立。会長に就任。 |