知られざる地球の不思議さと手つかずの大自然を肌で感じる究極のエコツアー。地球の鼓動が聞こえる大地「南極」、
イヌイットの住民達、野生動物との出会いがある「北極」。何かを感じさせてくれる極地旅行。
個人旅行の旅だからこそ、他では味わえない感動が!

今年2011年5月、2回目のエベレスト登頂に成功した写真家の石川直樹氏(プロフィール)。彼は同年2月、弊社トライウエルインターナショナルの手配で、南極クルーズに出かけている。これまで世界各地の秘境を旅し、写真と文章を発表してきた石川氏は、その中でも「南極は特別な場所」だと語る。

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「南極のイメージって雪と氷の世界、ですよね?大陸の内部はまさにそのイメージ通りですが、南極半島付近は思っていたよりずっと気温が高く暖かかったです。流氷が多く見られたり、島は黒々とした岩や荒涼とした大地が見られたり」。
今回、石川氏が参加したのは、ワンオーシャンが主催の南極半島クルーズコース。彼は南極が初めてではない。2000年から2001年にかけて北極から南極点までを縦断する「POLE TO POLE」プロジェクトで、世界7カ国から厳正なる審査のもとに選ばれた7人の若者の一人として参加した際、南極大陸のベースキャンプ「パトリオットヒルズ」からスキーで約1カ月をかけ南極点に到達している。今回は10年ぶりの南極だ。

「半島は見どころが多いです。点在する島には各国の観測基地があり、内部を見学できるコースもあります。浜はたくさんのアザラシがいて、その間をペンギンがちょこまかと歩き回る光景も見られます。ペンギンのコロニー(営巣地)に近づくと、強烈な臭いがする。でもまったく人間への警戒心がなくて、僕が写真を撮っていると寄ってきて三脚を噛んでみたりするペンギンもいますよ」。 大自然が支配する大陸部に比べて、半島付近ではダイナミックな流氷や野生動物たちのリアルな生態、基地に住む人との触れ合いなど、内陸とは異なった南極を見ることができる。

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写真提供:石川直樹氏

「流氷がすごく美しかったですね。ビルほどもある氷の塊には圧倒されました。船が氷をかき分けて進む時、ゴッツンゴッツン音が響くんですよ」。氷の海を進むクルーズは、船内にいても南極の気配が感じられるのだ。 船の中では毎日レクチャーがある。ペンギンの生態や南極探検の歴史はもちろん、写真家が写真の撮り方を教えてくれる講座もある。「船員たちが仲間内で使うことわざやダジャレを教えてくれたり、参加者が撮った写真をスライドショーにして観賞するサービスもあります」。アドベンチャー趣向の高いクルーズだからこそ、参加者の好奇心をかき立てる工夫がなされているのだ。午前から夕方まではハイキングや野生動物の観測、ソディアックボートでの氷河クルーズなど、豊富なメニューが用意されており、夜は専門家やスタッフの興味深い話を聞き、食堂などで世界各国から乗船している人々と親交を深める。退屈とは無縁の毎日だ。

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写真提供:石川直樹氏

今年は南極点到達100周年の記念すべき年にあたる。1911年、ノルウェーの探検家アムンゼン、イギリス海軍士官スコット、そして日本の白瀬矗らが南緯90度の南極点を目指し、壮大な冒険を繰り広げ、アムンゼンがその偉業を誰よりも早く成し遂げたのは周知の事実。だが、白瀬率いる日本南極探検隊がさまざまな困難を乗り越え、『大和雪原(やまとゆきはら)』に旗を立てた偉業も100年目を迎える。


「南極は100年前と変わらない、手つかずの大自然がある。今回、南極大陸の地肌を見たことや雪ではなく雨に降られるなどの体験は100年前には無かったこと。地球温暖化の影響ですよね。それでも、南極は何度でも行きたいです。日々新しい発見がある、驚きの宝庫ですから。まずは今年、できることならもう一度、南極点に立ちたいです。白瀬探検隊が遺した南極での足跡をたどりつつ、大和雪原にも行ってみたい。もしかしたら白瀬さんのたてた旗が見つかるかも・・・」。世界三極点といわれる「南極点」「北極点」「エベレストの頂上」の三点を制した石川氏は、12月14日、南極点で世界中から名だたる冒険家や探検家が集まり盛大なセレモニーが行われるその瞬間に、彼自身も立ち会い感動を分かち合うことが現在の夢だと語った。

写真家・石川直樹氏から南極旅行のアドバイス

船酔いの薬を持っていこう

ドレイク海峡を超えれば南極大陸です。世界でも最も荒れる海域の一つとして知られるドレイク海峡を無事に通過するために、船酔いの薬は必需品。乗船前にウシュワイアなどで購入することもできます。

露出を少し明るめに

南極は白い被写体が多いので、自動露出だと少し暗めに映ることが多いです。そんな時は露出を明るめにして撮るときれいに撮れます。

デジタルカメラは電源の確認を

船には電源があるのでデジタルカメラで大丈夫。ただし、大陸内部で吹雪など気温が極端に低い時にはデジタルカメラの電池が切れてしまうことも。またデジタルカメラの場合、内陸では電源の確保ができるかどうかの確認が必要です。

オススメは本や音楽

クルーズの場合、大抵は毎日忙しく、夜は疲れてすぐに眠ってしまうのですが、もし持参するとしたら、本や音楽があると便利です。もっとも船酔いしていたら、本は読めませんが・・・。南極旅行ならオススメ本は渡部誠一郎著(秋田魁新報社)『雪原に挑む白瀬中尉』ですね。

石川直樹氏プロフィール

1977年東京生まれ。写真家。2000年にPOLE TO POLEプロジェクトに参加し、北極から南極までを人力踏破。2001年には7大大陸最高峰登頂を当時最年少で達成。今年5月、2度目のエベレスト登頂に成功した。2006年、写真集『THE VOID』(ニーハイメディア)で三木淳賞をはじめ数多くの写真賞を受賞。2011年には『CORONA』(青土社)にて土門拳賞を最年少で受賞。2008年には冒険家・神田道夫について書いた『最後の冒険家』(集英社)で開高健ノンフィクション賞に輝くなど、作家としても注目される。また今年2月に参加した南極クルーズは体験記が写真と文にて『MOMENTUM』(日経BP社)、『群像』(講談社)など各種メディアで発表されている。

◎石川直樹ホームページ http://www.straightree.com/


コース紹介


注)すべてのコースは、海外主催会社が催行する旅行ツアーとなります。お申込みにあたり、自己責任の上でのご参加となりますことご承知おきください。