知られざる地球の不思議さと手つかずの大自然を肌で感じる究極のエコツアー。地球の鼓動が聞こえる大地「南極」、
イヌイットの住民達、野生動物との出会いがある「北極」。何かを感じさせてくれる極地旅行。
個人旅行の旅だからこそ、他では味わえない感動が!

2015.03.09

2014年末、世界中の極地研究者や探検に興味のある人々の注目を集めたのが、カナダ政府による、北極で消息を絶っていたフランクリン探検隊の船体の発見のニュースであった。「カナディアン・ヂオグラフィック」の2014年12月号にその詳細な記事が載った。本稿はその概要である。

フランクリンはイギリス海軍のエレバス、テラー2隻の船と128名の軍人とで、北西航路の探査のため、1945年にイギリスを出発したがその後消息を絶ち、全員が不帰の客となった。フランクリン隊を救出すべく、多くの調査隊や探検隊がカナダ北岸を訪れた。その結果、遭難の概要は分かってきたが、全体像は依然として多くの謎に包まれていた。
カナダ政府による船体発見を目的とした調査が、2008年から始まり、2014年9月に、ついに沈没船の存在が突き止められた。このような調査が可能になったのは、海中探査を目的に開発された無人水中探査船と進歩したカナダのソナー技術があったからである。

調査隊は総計186の海域をソナーで探査する予定であったが、目的の海域は海氷に覆われ調査はなかなか進まなかった。
船底や側面から音波を発射し、海底から反射してくる音を捕らえる。海底はほとんど砂利と砂であるから、もし「何か」が存在すれば、それは海底から反射した波とは異なり、存在する物体の形が浮かび上がってくるのである。

2014年9月5日、事前テストなしで新しい高性能のソナーがビクトリア海峡の調査に投入された。そしてこの日、船体の破片と断定された鉄板のついた木片も採取された。付近の海岸では時々、木片が見つかっている。森林地帯から遠く離れた地であるから、木片は全てイヌイットや探検隊によってもたらされた物であることは間違いない。探検隊の木片は壊れたボートの破片などであるが、発見された鉄板付の木片は明らかに大きな船の物と確認された。

そして9月7日、ソナーは水中に眠る船体を捕らえた。水深11mの海底に横たわった船体は堆積物に覆われていたが、ダイバーの調査により6ポンドの大砲などが確認され、エレバス号と断定された。調査・解析が進めば、北極探検史上、最大の謎の一つとされたフランクリン探検隊の全貌が明らかになろう。

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