東京は芝。増上寺の方から歩いて東京タワーに到達した所のタワー脚の横に15頭の犬のブロンズ群像があります。
1958(昭和33)年2月南極昭和基地に置き去りにされた15頭の樺太犬の貢献を祈念して日本動物愛護協会の手によって建立されたものです。
その制作は明かにタロ・ジロ生存発見以前になされた物です。
何故かと言いますと15頭の犬全部を同じ様に取り上げ、特にタロとジロだけを特別扱いしていないからです。勿論 後で書かれたと思われる説明には タロ・ジロの生存の一件が書いてありますが。
全国に何カ所かタロとジロの銅像があります。しかしいずれもタロとジロ生存発見の後、タロとジロの有名性を売り物に、観光誘致目的に作られたものが殆どです。その為かどうか解りませんが。
私には東京タワーの15頭群像に非常な親しみを感じます。タロ・ジロの思い出と同時に他の犬達の面影がいつも脳裏をかすめるのです。
この群像の前に立つ時、私は何時も自然に「あれは紋別のクロかな?」、「これはアンコかな?」と想像しまうのです。
懐かしいですね。
有名になった子供も嬉しいですが、無名で不幸だった子供達に一層の愛着を感じるのと同じでしょうか。
「有名」も「無名」も同じ様に取り扱う事。
難しい事かも知れませんがこれが「デモクラシー」、「平等」の原点要素の一つでしょう。
菊池 徹