
地表に現れたマントルの山、食虫植物…世界遺産で地球の不思議を見る
〜ニューファンドランド州グロ・モーン国立公園〜
【7日目】 7月22日(金)20℃ 晴れ
ユネスコ世界遺産のグロ・モーン国立公園を訪れました。ここは地球科学の歴史が見られる貴重な場所です。まずは整備された遊歩道を歩いて、テーブルランドを見渡せる山に向かいます。標高300m、往復5Km、歩いて約1時間で頂上に到着。途中、少し急な所もありますが、ゆっくり歩けば年配者でも登れます。山頂からの爽やかな風を受けながら見る景色は壮観。「テーブルランド」と呼ばれる赤茶の山と緑豊かな山の対比が素晴らしいです。
グロスモーン山は、低山にもかかわらず高山植物が花を咲かせています。「ピッチャープラント」という食虫植物が多く見られるのも興味深いことです。公園内にはオオヤマネコやトナカイ、ホッキョクウサギ、ハクトウワシやライチョウなどが生息しています。
いよいよテーブルランド内を専門のガイドの案内で散策します。マントルが地上に飛び出した「テーブルランド」。マントル起源のかんらん岩がテーブルランドを構成しているため、カルシウムが少なく、マグネシウムや重金属、鉄分が多く、岩全体が錆び色になっています。もちろん植物は育ちません。なんとも不思議な風景です。地形、生態系ともに地球の歴史上主要な遺産が見られるグロ・モーン国立公園。地球はなんと壮大なのでしょう。

【写真】グロ・モーン国立公園。紫の花を着けるこの植物は、ニューファンドランドとラブラドールの公式の花「ムラサキヘイシソウ(Sarracenia purpurea)」。
GROS MORNE NATIONALPARK グロ・モーン国立公園 |
グロ・モーン国立公園は、ニューファンドランド島に位置し、驚くべき自然の美しさに魅了される場所。1987年、ユネスコ世界遺産に指定されました。平らなテーブルランドは、本来なら地下にあるべきマントルが数億年前の地殻変動で地上へと押し出されてできたと言われています。生物の多様性は世界中のメディアでも紹介されています。人気の観光プランは、山のハイキングや海岸沿いでのキャンプ。ボートツアーでは、氷河によって削られ切り立つ断崖からの滝などを見学できます。 |
体験記:08
【8日目】ニューファドランド州フランソワ
閉ざされた世界に暮らす人たちとの心温まる交流
フィヨルドの奥深い入江にひっそりと佇む漁村フランソワ。人口はわずか80名。車道も無く、学校、病院もありません。村の中にただ1軒小さなよろず屋があり、ATMが1台、それに郵便局。短い夏の期間、時折訪ねてくる訪問者を楽しみにしているそうです。