2016.11.15
南極アイスマラソンのスタート風景。ゼッケン25番が河本さん。
2015年11月に南極アイスマラソンに参加された名古屋の会社経営者・河本三紀夫さんにお会いするため、一年ぶりに尾張一宮市にある会社を訪ねました。
白亜の洒落た建物の玄関には、手作りの世界地図が飾られており、河本さんが達成された7大陸でのフルマラソンのポイントと完走時間が写真入りで記録されています。その隣に南極大陸でのマラソン風景写真がアップで並べてあったのが、とっても印象的でした。
国内外のマラソン大会の申込みから行き方、前泊の宿泊などすべてを手配するのは、お嬢様の役目だったそうです。私達トライウエルのスタッフも今回の南極アイスマラソン行きで、奥様やお嬢さん達が一生懸命に支えている姿を真近で見てきました。
そんな家族愛に包まれた河本三紀夫さん。72歳で南極アイスマラソンへの参加を決意したきっかけや感想をインタビューしました。
会社の玄関口に掲げられていた7大陸マラソン制覇のポスター。
【ゲスト】 最高齢72歳で南極マラソンを制覇した河本三紀夫さん 【インタビュアー】 トライウエルインターナショナル 田島
≪田島≫
南極マラソンは、どのようにお知りになったのでしょうか?
≪河本さん≫
テレビで南極マラソンを知りました。南極で一般の人がマラソンできるとは驚きでした。私はすでに6大陸でマラソンを経験しています。南極でのマラソンは、私に新な目標を与えてくれました。トライウエルさんのサイト「ポーラクルーズ」で「南極アイスマラソン」を見つけた時には、「これで実現できる!」と思いました。
河本三紀夫さんとお嬢さん。
お二人のお嬢さんが国内・国際マラソンのすべての手配を支えています。
≪田島≫
実際に「南極アイスマラソンに参加しよう」と決心された動機は何だったのでしょうか?
≪河本さん≫
ラジオに出演する機会がありまして、そこで「今まで6大陸を走り、次は7大陸目の南極を走る」と公言してしまったからなのです。
私は、66歳になって初めてマラソンをやり始めました。それまでは、肥満体でいくつもの病気を抱えて多量の投薬が欠かせませんでした。これでは、長生きができないと思ったのです。両親も比較的早死にしてましたので。
まずは近くの公園(周囲400m)を少しづつ走りはじめました。そして徐々に徐々に距離が伸びていきました。それから国内のマラソン競技に参加するようになりましたが、それに飽き足らず海外に遠征にいくようになりました。お蔭で身体も丈夫になり、病気しらずになりました。
≪田島≫
世界中でマラソンに参加されていますが、南極マラソンでは、何か特別な準備はなさいましたか?
≪河本さん≫
ラジオでしゃべってしまった日から、両足に1.2Kg~2.3Kgの重りをつけて歩き始めました。1年半以上前から練習をしました。南極行きの前年度は、1年で30回の大会にも出ました。
≪田島≫
実際に南極大陸で走った感想はいかがでしたでしょうか?
≪河本さん≫
曇り空やホワイトアウトで視界が全く見えないので苦労しました。エイドステーションでトイレを済まして走り始めましたが、反対方向に走ってしまい、途中でスタッフから呼び止められて気づいたほどです。自分がどこにいるのか、どこを走っているのかまったくわからない不思議な体験でした。でも一定距離に小籏が立っているので、それを目指して走ったり、歩いたりでした。
ハーフを2周回ってフルコースなのですが、1周目で3時間43分のレコードだったので、「これはいける!」と思ったのですが、実際は8時間以上かかってしまいました。
参加者には、すでに6大陸を走った人が自分も含め52名中19名もいました。
南極アイスマラソンでは、72歳の自分が最高年齢の走者であったと聞き、感無量でした。
南極アイスマラソン主宰者リチャード・ドノバン氏と河本三紀夫さん。
≪田島≫
南極は特別な地だと思いますが、何か困ったことなどございますか?
≪河本さん≫
走っていると目の前の視界が徐々になくなっていきます。吐く息でゴーグルが曇り目印の旗が見えなくなってしまうのです。これにはとっても困りました。
その他は充分な準備をしていきましたので、困ることはそれほどありませんでした。
ひとり白銀の世界をひた走る河本社長。
≪田島≫
これからの河本さんの夢をお聞かせください。
≪河本さん≫
南極大陸で走ることができましたので、これで7大陸を制覇したことになります。帰国後の翌月の予定は、12月にホノルルマラソンを走りました。これからも走りつづけます。
≪田島≫
長い間、お時間をいただきありがとうございました。
【中部経済新聞(2015年12月3日)に河本三紀夫さん南極マラソンのインタビューが掲載されました】
2015年11月に開催された南極アイアスマラソンに参加し、72歳の過去最高年齢で完走。これを以て世界7大陸のマラソン大会を制覇した河本三紀夫さんのインタビュー記事が掲載されました。
河本さんのジョギング熱は、ご自身が経営する会社の社員にも広がり、今では社内チームでリレーマラソンに参加するまでに成長したとのことです。