知られざる地球の不思議さと手つかずの大自然を肌で感じる究極のエコツアー。地球の鼓動が聞こえる大地「南極」、
イヌイットの住民達、野生動物との出会いがある「北極」。何かを感じさせてくれる極地旅行。
個人旅行の旅だからこそ、他では味わえない感動が!

南極行きがイヨイヨ具体化してきた頃、一通の手紙が西堀栄三郎氏から私の私宅宛てに届いた。不思議なことだ。毎日準備で顔をあわせているのに。どうしたわけだろうと開いてみると、西堀さんの起案だと思われる「質問状」が越冬候補者に届いたのだ。

 

質問(1) 今回の観測隊に貴君は何故参加する気になりましたか?
質問(2) 引き続き2ヵ年くらい極地に生活する自信がありますか? もし そうするには君として何 か条件がありますか? あれば沢山書いてください。
質問(3) 隊の参加決定の場合は 上位者の命令や指示に従わねばなりませんが その時に何か条件か 注文はありませんか?
質問(4) 万一。 貴君の生命に事が起きた場合。 残された方々の生活はどうなりましょうか?
希望 その他条件を書いてください。

 

これらに対して 誰がどのように返答したか 私は知りませんが、各自の返事がどこかに保存されていて 今公開されたら面白いですね。新聞社か雑誌社で 調べてみませんか?

私は当然のことながら全回答を肯定意的かつ意欲的に書いたと記憶しています。

 

実はその時点での 隊員候補者は各「学会」推薦という形式がとられていました。

これは主催者が文部省だったからです。「犬ぞり学会」はありませんので、私は「地質学会」推薦と言うことで候補者の仲間入りをしていました。

「地質学会推薦」と言うのに3名いました。(歳の順に)立見辰男・菊池徹・木崎甲一郎でした。このうち立見と菊池が第一次越冬隊員に選抜されました。木崎は後年大活躍をするのです。

南極観測第一次越冬隊員 隊長・西堀栄三郎

ところで その後(だったと思いますが)、また西堀先生から呼び出しがかかったのです。今度は「昼飯をご馳走するから、家族同伴、白金の椿山荘に集合」と言うのです。

今度も誰が呼ばれたかは現場に行ってからでないと解りませんでした。

私の手元に正確な名簿が無いので残念ですが、記憶にのこるのは (略敬称:※印は第一次越冬隊員) 藤井恒男※・立見辰男※・北村泰一※・大塚正雄※・立石哲夫・緒方道彦などの諸氏でした。他にも居られるはずですが、あまり鮮明な記憶はありません。

ご馳走はカレーライスでした。予談だがその後、私は椿山荘で食事をするたびに、出来ればカレーライスを食べてきました。

会談の内容はあまりよく覚えていませんが、要するに西堀さんが越冬候補者の奥さん達に「覚悟は宜しいか?」と問う場だったようだ。幼い子供達は椿山荘の広い芝生の庭を転げまわって 楽しんでいました。

(写真)南極観測第一次越冬隊員 隊長・西堀栄三郎氏

 

上記の秘密の手紙と秘密の集会は、すべて 西堀さんの「決意」の一端を現しているものです。西堀栄三郎さんは、私に非常な影響を与えた人でした。残念な事に既に亡くなリました。アーメン。

菊池 徹 (2001.4.17)


コース紹介


注)すべてのコースは、海外主催会社が催行する旅行ツアーとなります。お申込みにあたり、自己責任の上でのご参加となりますことご承知おきください。