知られざる地球の不思議さと手つかずの大自然を肌で感じる究極のエコツアー。地球の鼓動が聞こえる大地「南極」、
イヌイットの住民達、野生動物との出会いがある「北極」。何かを感じさせてくれる極地旅行。
個人旅行の旅だからこそ、他では味わえない感動が!

南昭和基地 樺太犬の子犬

一般の犬がいつ発情するのか、私はよく知らない。
昭和基地の犬たちが何となくざわめき出したのは、現地の春、つまり8-9月頃だった。
子犬で連れて来た雌のシロがそろそろ思春期に達したのだ。鎖に繋がれた17頭の雄犬たちの間を自由気ままに「しゃなりしゃなり」と歩き回っている。
雄犬たちにとっては「無視」するわけにはいかない。ギャーぎゃー騒ぎ立てる奴。力一杯鎖を引っ張る奴。黙って視線を向けている奴…犬さまざまだ。
(写真)すぐに大きくなる樺太犬の子犬たち

 

私たち人間はシロのお婿さんにと「紋別のクマ」を選んだ。シロを至近距離につないで、結婚初夜を迎えさせた。ところがシロがどうしても許さない。親の決めた結婚なんていやだと言うわけだ。 
待つこと何日。ふとした時シロが鎖を離れた。
「まあいいや」と見ていたら、シロはすかさずジロの所に行くではないか。やはり若いのがいいのかな? 確かにジロは一番若いのだ。
「おや?」と思って見ている内に、2頭は仲良くなってしまった。シロにとってもジロにとっても初体験だったはずだ。

 

このシーンは我々若い隊員達にとって、とても刺激的なポルノである。お天気がいいので外に出て片づけ作業をしていたが、すかさず集まってきて、このポルノ実演を取り巻いて固唾をのんだ。
キッチンで夕飯の準備をしている砂田隊員にも連絡がとんだ。彼は「おっとり包丁」で駆けつけた。無電機のキーを叩いている佐久間隊員には、誰も連絡しなかったのだろうか?

 

夕飯のテーブル時、佐久間隊員がプンプン怒っている。本気で悔しがっているようだ。
「どうしてオレにも知らせてくれなかったのだ!!」と。
もっともな事だ。いつも通信で忙しがっている彼。一見まじめそうな彼にも、当然連絡すべきだったのだ。 
犬係の私としては「すまん事をした。 お許しください」。

菊池 徹 (1999.01.15)


コース紹介


注)すべてのコースは、海外主催会社が催行する旅行ツアーとなります。お申込みにあたり、自己責任の上でのご参加となりますことご承知おきください。