知られざる地球の不思議さと手つかずの大自然を肌で感じる究極のエコツアー。地球の鼓動が聞こえる大地「南極」、
イヌイットの住民達、野生動物との出会いがある「北極」。何かを感じさせてくれる極地旅行。
個人旅行の旅だからこそ、他では味わえない感動が!

篠原洋一さんと南極大陸 Q&A

南極料理人・篠原洋一さん

篠原さんは、板前になったばかりの頃に知り合った北海道大学の教授が語るオーロラの素晴らしさに強く心を打たれ、「どうしても南極へ行って自分の目でオーロラを見たい!」という一念で日本料理の修業を積んで約10年、1991年にようやく夢が叶い、第33次南極地域観測隊の調理担当として南極での越冬を経験。

その後、日本郵船の豪華客船「飛鳥」および「飛鳥Ⅱ」で和食の責任者として14年間、世界一周を9回、70カ国200都市を巡るという貴重な体験を経てなお、南極への思い冷めやらず、50歳を目前にした2008年、再び第50次南極地域観測隊の調理担当として南極大陸へ向かいました。

2010年3月に南極から帰国した篠原さんは同年9月、もう一つの夢であった「自分の店を持つこと」を実現するために、横浜・関内に旅行好き船好きが集まるダイニングバー「BAR de Mirai」をオープン。南極での人気メニューなどを提供するかたわら、南極の素晴らしさや環境の話、夢をかなえることなど、貴重な体験談を交えたトークショーも開催しています。

いま注目の篠原さんに、一問一答をさせていただきました。


Q1.南極の調理人になったきっかけを教えてください。

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食べることが大好きで、高校を卒業して板前になりました。
板前になってすぐの頃、北海道大学の低温科学研究所の教授と知り合って、オーロラの話を聞きました。その話が素晴らしくて素晴らしくて!

南極大陸のオーロラ

「もっと話してください」と言ったら、その先生が「これ以上話しても、オーロラの凄さは百分の一も伝わらないんだよ。自分の目で見なさい」とおっしゃるので、「そんなこと言ったって、お偉い先生しか行かれないんですよね?」と聞いたら、「南極の昭和基地には研究者のほかにも基地を維持する人がいるんだよ。通信隊員とかお医者さんとか、それに調理人もいるんだよ。君、調理を始めたんだろ?もし南極に行きたいんなら、君、チャンスあるよ。ただし、7〜8年は修業を積んで、何でもできるようにならないと、皆を喜ばせることができないからダメだよ。6〜7年してから、どうしても行きたかったら話しにおいで」と。

そこから僕の人生が変わりました。寝床にオーロラの写真と白瀬(南極観測船)の写真を貼って、毎朝起きたらその写真を見て「南極へ行くぞ!」と心に誓いました。
朝早くから夜遅くまで勤める板前の修業は、若い僕にとって辛い毎日でしたから、「南極でオーロラを見る」という目標ができたことはありがたかったです。

その後、6〜7年たった頃、その教授に「あの話は有効ですか?」と聞いたら、「よし、それなら…」と、あちこち奔走してくださって、南極行きが実現したのは29歳の時。思い立ってから10年かかりました。

Q2.南極は、篠原さんにとってどんなところでしたか?

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「自然一人占め!」です。

Q3.南極での仕事と豪華客船(飛鳥・飛鳥Ⅱ)での仕事は、どんなところが違っていましたか?

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基本的には似ていると思います。お客様の顔ぶれが同じなので、毎日違ったものを食べさせなければならないですよね。
ただ、豪華客船ではお客様の好き嫌いやご要望にも応えなければならないですね。

Q4.どんな事を気にかけて仕事に取り組んでいましたか?

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作った物を、まず自分で食べてみる。それから人にも食べてもらう。自分の舌を過信しない、ということですね。疲れていたり、毎日違うものを作っていると誤差とかも出てきますので。

Q5.一番寒いと感じた気温と最も暖かかった気温はどのくらいだったのでしょうか?

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一番寒かったにはマイナス40度、暖かかったのはプラス4度くらい。

マイナス30度とマイナス40度の間に、温度差の壁がある感じです。マイマス30度までは「わー!凄い寒い!!」だけど、マイナス40度になると「痛い!」という感じ、もう「いやー!!」と叫びたくなる。

Q6.南極越冬中での楽しみは何だったのでしょうか?

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世界中どこにもない景色を見られること。
その壮大さは考えられないほどです。比較対象物が一切ない。

それと自然の素晴らしさは、帰ってきて人工物を見た時の違和感でよく解ります。

Q7.南極での心に残るエピソートは?

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南極昭和基地で露天風呂

南極で露天風呂!
マイナス30度、天にはオーロラ。手作りの露天風呂に入ってオーロラを眺めながらお酒を一杯。熱くなってきたら、真っ裸のまま雪に寝ころぶ。当時は女性がいませんでしたから(笑)。

Q8.南極で御苦労されたことは?

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毎日違ったメニューを出すんですが、食材の補給がないので配分が大変です。

Q9.南極に行くには、どのような方法があるのでしょうか? 研究者でなくとも調理人という仕事もあるのだとわかりましたが、その他に行く手立てはあるのでしょうか?

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自衛隊として行くか、あるいは「同行者」という枠ができたので、例えばジャーナリストとして行きたいとか、研究者の枠とは別に研究で行きたいとかを、文部科学省に申請して、合格すれば給料はでませんが、南極へ行くことはできます。

Q10.観光として行く場合には、どんなことを事前に調べておいた方がいいのでしょうか?

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行く場所に合わせた防寒の準備。

それに危険についての知識ですね。
特にクラック、クレバス、ウィンドスクープ。ウィンドスクープとは、例えば氷山のまわりに風の通り道ができるんです。高い時には3~4メートルもの溝ができているんですが、遠くからはわからないんです。近づいて行くと、そこがオーバーハングしていて、そこに落っこちることがあります。それが非常に危険です。
それとホワイト・アウト。曇っていて雪がちらついている時に、上も真ん中も下も解らなくなる。平衡が解らなくなると、目が一生懸命に平衡を探そうとするんです。目がカメラのレンズみたいにウィーウィーウィーと動いているのがわかるんです。そうするとだんだん頭が痛くなって、うお~と叫びたくなる。そんな時は動かないのが一番です。

Q11.とてつもない夢を叶えたと思いますがその秘訣は何だったのでしょうか?

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「とてつもない」とは思っていませんが、小さな「あきらめない」が、大きな「あきらめない」につながるんじゃないか、と思っています。秘訣といえば、それでしょうか。

Q12.次の夢は何ですか?

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もう一回、南極に行く!

それと、自分の店「Mirai」を大きくしたい。旅好き、クルーズ好きに、もっともっと集まってもらいたいです。

篠原さん、インタビューにお答えいただき、ありがとうございました。
とても貴重かつ楽しいお話でした!


【篠原洋一さんのお店紹介】

南極料理人の店Mirai

BAR de Mirai

世界一周×9回+南極越冬×2回、70カ国200都市を回った調理人が送る "クルーズトラベル・コミュニケーションバー Mirai(みらい)”は、南極・昭和基地で好評だった料理など、南極料理人&豪華客船のシェフならではのメニューと会話がお楽しみいただけます!

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<南極人気メニュー>
エビとホタテのアヒジョン

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<南極人気メニュー>
スパムおにぎり

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<100年の伝統>
日本郵船スタイル・ドライカレー

<インフォメーション>
横浜市中区吉田町2-7 VALS吉田町 B1F
定休日:なし(不定休)
営業時間:17:00 ~ 26:00
電話:045-326-6475
E-mail:miraiyosidamachi@yahoo.co.jp
websaite:http://travelbar-mirai.com/


コース紹介


注)すべてのコースは、海外主催会社が催行する旅行ツアーとなります。お申込みにあたり、自己責任の上でのご参加となりますことご承知おきください。