南極は、アムンゼンやスコットをはじめとして、極地探検家と呼ばれた人たちが命をかけて目指した場所です。彼らが足跡を残したその場所に、自らも立つわけですから、その思いは格別です。地球の南の果て、どちらを向いても北、太陽はいつも同じ高さで、地球はその点を通る地軸を中心に回転しているという特異な点に到達するのも、限られた人にしかできない体験です。宇宙飛行士のように、母なる地球を体感できる場所であり、この世に生を受けた自分の命の存在を感じ、地球との一体感をぜひ味わってもらいたいです。
南極点への前線基地である内陸のベースキャンプでは、雄大な美しいエルスワース山脈の姿を目の前にしてのキャンプ生活。設備は充実しており、食事もすばらしく、誰もが快適に過ごせるように、生活環境が整えられています。晴れた日には大気汚染のない空はどこまでも青く、太陽はさんさんと輝き、マイナス１０度とは思えないぐらい快適です。もちろんブリザード（地吹雪）になることもありますが、地球上で最も厳しい環境である南極の猛威を見せつけられるのもいい体験です。でも、安全対策をきちんと守ってさえいれば、全く問題なく過ごせますので心配は無用です。極地を知りぬいたプロフェショナルなスタッフと共に、今年も、南極大陸ベースキャンプ（ユニオン・グレッシャー）で皆様のお越しをお待ちしております。
舟津圭三（ふなつけいぞう）プロフィール
大阪市生まれ。日本国内やアメリカ・サハラ砂漠などを自転車で旅する。1990年国際隊の一員として犬ぞりとスキーによるグリーンランド縦断、南極大陸横断に成功。91年からは長距離犬ぞりレースに取り組み、ユーコン・クエストはじめ数々のレースに出場。すべてのレースで完走、新人賞を受賞。94年からアラスカ州「シルバー・クラウド」を開設。その後、講演活動や北極点や南極点でのガイドとして活躍。著書：「犬ぞり隊、南極大陸横断す」（講談社刊）他多数。
